ヴィンテージLevi's 用語集
ヴィンテージLevi's鑑定に必要な用語を28語解説。Big E・セルビッジ・TALON・LVCなど、鑑定ポイントを正しく理解するための用語集です。
Red Tab
右バックポケット上部に縫い付けられた赤い布製タグ。1936年に商標として導入された。表記がBig E(両面大文字)かSmall e(片面小文字)かで1971年前後を判定できる年代判定の最重要指標。「LEVIS」と「LEVI'S」の表記の違いにも年代的変遷がある。
→ 赤タブ完全ガイドArcuate Stitch
バックポケットに施されたかもめ型(弓形)のステッチ。1873年の特許取得当初から続くリーバイスの象徴的デザイン。糸色・SPI(1インチあたりのステッチ数)・形状が年代によって異なる。オレンジ糸→初期〜1960年代。黄色/レモン糸→1960年代〜1970年代中頃。銅/オレンジ糸→1970年代後半以降。WWII期S501XXはペイント(塗装)に変更された。
→ アルキュエートガイドSF Factory
ボタン刻印1番(Valencia Street工場)と2番(22nd Street工場)で示される、リーバイス発祥地のサンフランシスコ工場製を指す通称。1853年にリーバイ・ストラウスが移住し1873年に世界初のジーンズ工場を設立した場所。工場閉鎖後は増産不可能なため発祥地製という歴史的価値から最希少の工場番号となっている。
→ SF工場希少性ガイドS501XX (WWII Era)
第二次世界大戦中(1942〜1947年頃)に製造された簡略化501XX。「S」はSimplified(簡略化)の意。金属節約のためアルキュエートが縫製からオレンジペイント(現在はほぼ剥落)に変更。クロッチリベット・コインポケットリベット・シンチバックも省略。良好なコンディションであれば$6,000以上の価値があるとされる超希少品。
→ 501XX完全ガイドSPI (Stitches Per Inch)
1インチあたりのステッチ数(縫製密度)。ヴィンテージリーバイスではアルキュエートステッチのSPIが年代の補助指標になる。一般に古いほどSPIが高い傾向(501XX期:SPI10〜11・1960年代:SPI9〜10)。高SPIは繊細な縫製技術と良質な素材の証拠とされ、コレクターが重視するポイントのひとつ。
→ アルキュエートガイドLVC (Levis Vintage Clothing)
リーバイ・ストラウス社が公式に展開するヴィンテージ復刻ライン。本物ヴィンテージに酷似した仕様(セルビッジ・Big E風タブ・本革パッチ等)で製造されている。ケアラベルに「LEVIS VINTAGE CLOTHING」の表記があればLVCと確定できる。本物ヴィンテージとして売買されることがあるため注意が必要。「偽物」ではなく「公式復刻品」という位置づけ。
→ LVC vs ヴィンテージOverlock Color
1981年のセルビッジ廃止後、アウトシームに使われるようになったロック縫い(オーバーロック)の糸色。オレンジ色→1981〜1984年。白色→1985〜1993年。この色の違いだけで8〜12年の精度で年代判定できる。セルビッジがない場合の最重要年代指標のひとつ。
→ セルビッジ・オーバーロックガイドCrotch Rivet
ボタンフライの付け根(股部分)に打たれた金属製リベット。1937〜1964年頃まで確認できる。WWII期のS501XXでは金属節約のため省略された(1942〜1947年)。クロッチリベットあり=1964年以前の指標。バックポケットの隠しリベット廃止(1964〜1966年頃)と同時期に消滅した。
→ リベット・ハードウェアガイドCare Label
1971年7月にアメリカ連邦取引委員会(FTC)の「Care Labeling Rule」により義務化された洗濯表示ラベル。ケアラベルの有無だけで1971年前後を確定できる。内容(英語のみ→1971〜75年頃・多言語→75年以降・バットウィングロゴ→1986年以降・日付コード→1984年以降)で年代を10年単位で絞り込める。
→ ケアラベル判定ガイド501XX
1954年以前に製造されたリーバイス501の最初期モデルの通称。「XX」はリーバイスの最高品質デニム(ダブルX)を示す内部品番。本革パッチ・Big Eタブ・ケアラベルなし・セルビッジが揃う最高希少クラス。良好なコンディションのものは数十万〜数百万円以上で取引されることがある。
→ 501XX完全ガイドZipper Fly
ジッパーで開閉するフロント仕様。505(1967年〜)・517・646・578などリーバイスの複数モデルで採用。ボタンフライ(501等)と異なりジッパーブランドによる年代判定が可能。TALON 42→1950〜60年代・TALON→60年代後半〜70年代前半・YKK→70年代以降。
→ 505完全ガイドJacron
1954年頃から本革パッチに代わって導入された革風ボール紙素材のバックパッチ。折り曲げると割れる・裏面が紙質であることで本革と区別できる。初期(1954〜1962年)は「EVERY GARMENT GUARANTEED」スローガンあり・後期(1962年〜)は廃止。このスローガンの有無で1962年前後を判定できる。
→ パッチ完全ガイドCinch Back
バックウエストに付いたウエスト調整用のストラップとバックル。ベルトループが普及する以前のウエスト調整機構で、1922〜1937年頃まで使用された。シンチバックあり=1937年以前の非常に古いモデルの証拠。リベット等と組み合わせて最初期モデルを特定する際の重要指標となる。
→ リベット・ハードウェアガイドSmall e
1971年7月以降に採用された、赤タブ片面が小文字「Levis」になった仕様。大文字Eに対してSmall eと呼ばれる。Small e=1971年以降の製品。コスト削減により変更された。Small eかつセルビッジありの個体(1971〜1981年)は移行期の価値ある仕様。
→ 赤タブガイドSelvedge
シャトル織機で織られたデニムの耳(自然に仕上がった布端)のこと。アウトシームを折り返すと白い耳が見える。1981年にロータリー織機への完全移行とともに廃止された。セルビッジあり=1981年以前の確定指標。耳の色(白・赤・緑のステッチ)は工場・ロットの情報を持つ場合もある。
→ セルビッジガイドTALON 42
1950〜60年代のリーバイスジッパーフライモデルに多く使われたジッパーブランド。「42」の刻印があるものが特徴で、TALON社が製造。TALON 42=1950〜60年代の強い示唆。1960年代後半からは「42」のない「TALON」に移行。ジッパーブランドによる年代判定はボタンフライの501には使えないが、505・517等のジッパーフライモデルに有効。
→ ジッパー年代ガイドTwo Horse Brand
バックパッチに描かれた「二頭の馬がジーンズを引っ張るデザイン」。リーバイスの耐久性を象徴するトレードマークで、1873年の創業以来続く伝統的なデザイン。馬が2頭のロープで引っ張っても破れないという丈夫さを表現している。本革パッチ・Jacronパッチ・合皮パッチのいずれにもこのデザインが使われている。
→ パッチ完全ガイドDeadstock / NOS
製造後に一度も着用・洗濯されていない未使用・未流通品。NOS(New Old Stock)とも呼ばれる。コンディション評価の最上位で、参考価格の3〜10倍以上の価値がつくこともある。タグ・パッチが完全な状態・折り目が残っているものが典型的。古着市場・倉庫から発見されることがある。
→ 価格相場ガイドTrucker Jacket
1962年から現在まで継続生産されているリーバイスのデニムジャケット(557XX)。胸2つのフラップポケット・ウエスト2つのボタン留めポケットが特徴のType3ジャケット。Big E期(〜1971年)の品番は「70557XX」。現行品も「Type3」として製造されている。1936年のType1(506XX)・1953年のType2(507XX)から続く系譜。
→ ジャケット完全ガイド70505
Big E期(1967〜1971年)の505に付けられた品番。505はジッパーフライの1967年デビューモデルで、Big E期のものは特に希少。TALONジッパー・Big Eタブ・ケアラベルなし・セルビッジが揃う個体がコレクター市場で最高評価。501のBig Eに次ぐ人気を持つ。
→ 505完全ガイドBatwing Logo
リーバイスのこうもり型(V字翼型)ロゴ。1986年以降のケアラベルにこのロゴが印刷されるようになった。バットウィングロゴあり=1986年以降確定という年代判定に使える。「Care on Reverse(裏面参照)」の表記が同時にあれば1992年以前も確定し、1986〜1992年と絞り込める。
→ ケアラベル判定ガイドBig E
1936年の赤タブ導入から1971年まで使われた、赤タブ両面に「LEVIS」が大文字で刻印された仕様。ヴィンテージ市場で最重要の年代指標のひとつ。Big E=1971年以前の製品を意味する。現在も両面大文字タブはLVC(復刻品)に採用されているため、ケアラベルとの整合性確認が必須。
→ Big E価値ガイドDate Code
1984年頃からケアラベルに記載されるようになった製造年月を示すコード。3桁コード(1984〜1992年):例「127」=12月・1987年。4桁コード(1993年〜):例「1295」=12月・1995年。日付コードがあれば±1年の精度で製造年月を特定できる最強の年代指標。
→ ケアラベル判定ガイドV-Stitch
ボタンフライの右縁に施されたV字形のステッチ。1969年以前のリーバイスに見られ、1969年以降に廃止された。Vステッチあり=1969年以前の確定。Big Eタブ(1971年以前)との組み合わせで1969年以前のBig E期と精密に絞り込める。比較的見落とされやすいが有効な指標。
→ 1960年代ガイドButton Back Stamp
フロントボタン裏面に刻まれた工場番号。1桁刻印(1〜6等)→1970年代中頃以前の国内工場。3桁刻印→1980年代〜2002年の後期アメリカ製。アルファベット刻印(M・W等)→海外工場製。刻印1番・2番はサンフランシスコ発祥工場製で最希少。斜め光での撮影が判読の鍵。
→ ボタン刻印完全ガイドLeather Patch
1954年以前のリーバイスに使用されたバックパッチの素材。本物の動物皮革製で「Two Horse Brand」デザインが刻印・印刷されている。1954年頃にJacron(革風ボール紙)に変更された。本革確認=1954年以前の強い証拠。経年で劣化・ひび割れ・剥離が見られることが多い。後付けの偽革パッチが存在するため他のポイントとの整合性確認が重要。
→ パッチ完全ガイドMade in USA
ケアラベルに「MADE IN USA」と記載されていれば2002年以前の製品を示す。リーバイスは2002年にサンフランシスコのバレンシア工場を最後にアメリカ国内生産を終了した。日本市場では「Made in USA」表記のLevi'sに特別な価値を見出すコレクターも多い。1980〜90年代のMade in USAは実用価格帯で人気がある。
→ 1980年代ガイドYKK
1970年代以降のリーバイスジッパーフライモデルに標準化されたジッパーブランド(吉田工業株式会社)。YKK=1970年代以降の製品を示す。Big E期(〜1971年)にYKKは存在しないため、YKKジッパー+Big E主張は矛盾のサインとなる。現行品も含めて最も流通したジッパーブランド。
→ ジッパー年代ガイド